5月まで賭博禁止キャンペーン、全国で展開

中国では今年1月から5月まで、賭博犯罪の集中取り締まりキャンペーンが全国的規模で繰り広げられる。今回のキャンペーンの重点的取り締まり対象は（１）大陸部以外の賭博場、賭博会社、賭博ウェブサイトの大陸部での代理人（２）代理機関、賭博ウェブサイトの設置者、維持管理者（３）非合法な六合彩（宝くじ）やトト・カルチョ、競馬など賭博行為を行った者（４）賭博場を開き、多くの人を集めて賭博行為を組織的に行った者(５)賭博にかかわった中国共産党の指導的立場にある幹部党員、国家公務員、国有企業・事業部門の担当者。

黄樹賢監察部副部長は、「今回の賭博取り締まりキャンペーンで、各クラスの監察機関は積極的に関係部門と共に、中国共産党の指導的立場にある幹部党員、国家公務員、国有企業・事業部門の担当者が賭博にかかわる違法行為を厳しく調査、処分する。また、賭博行為は往々にして汚職・収賄や公金横領の犯罪に関連する。賭博集中取り締まりキャンペーン中、検察機関は国家公務員が賭博行為にかかわった事件に対し、賭博資金源を深く調べることで汚職・収賄行為や公金横領など職務にまつわる犯罪を暴き、取り調べ、処分する」と語った。

最高人民検察院の朱孝清副検察長は「検察機関は公安や裁判所などの機関との協力を強化し、取り締まりキャンペーンの具体的な配置と大まかな事件の情報を直ちに把握し、公安機関が重大かつ複雑な事件を捜査する時は共に参加し、重大事件を合同で処理する。公安機関から賭博事件の容疑者逮捕、起訴が申請された次第、直ちに逮捕、起訴の決裁をする」と語った。

賭博取り締まりキャンペーンの全国展開後、東南アジアの一部の国と境を接する雲南省でまず行動を起こし、中国人を専門に顧客としていた国外の賭博場につながるルートを捜査し、廃業に追い込むなどした。これまで全省で国内の賭博事件1791件を捜査し、賭博犯罪グループ300団体余りの関係者を逮捕、42人を刑事拘留し、488人を治安拘留し、賭博に参加した7540人余りを処罰した。この1カ月間に、雲南省の国境線の外にあった賭博場82軒を廃業に追い込んだ。

雲南省公安庁の職員によると、同省の国境近くにある外国の賭博場の大部分は、その国の市民が客として出入りするのを厳禁し、ほとんどが中国人客を対象に開設されたものだという。こうした状況に対し、同省はこれらの賭博場を対象に、賭博客との連絡や銀行サービスなどを断ち切り、賭博場82カ所を閉鎖に追い込んだ。ベトナム国内の2つの大きな賭博場も、中国人客が来なくなり、廃業した。